山本悠理さん
2009年度普通科卒業
現在
朝日新聞社 記者
100周年にむけて
中学２年生のころ、たまたま友人に誘われ、英語の「朝読書」会に参加しました。週に数回、午前７時過ぎから離れの教室で開かれていた会は、高校卒業の近くまで続きました。先生と生徒数人が膝をつき合わせて英語の本を読み、あれこれ雑談を交わす･･････。それは私にとって、単に座って授業を受けるのではない、「学び」の奥行きを感じる得がたい時間でした。
また高校の３年間を担任して頂いた先生には、大学に入った後も、そして今日に至るまで、折に触れて大切な気づきを頂戴しています。特に、社会に出る直前に教えて頂いた、石原吉郎という詩人。彼の詩の言葉は新聞記者として働く上で、今なお重要なものとして強く胸に抱いています。
本郷は、私にとっての学舎であり続けます。自ら考え、知ることを喜ぶ原点として。きっとその意味は、これからいっそう大きくなっていくことでしょう。
現役生へのメッセージ
「高く飛べ。まっすぐに飛べ。ゆっくり飛べ」
教育者・作家の下村湖人がつづったこの言葉を、私から皆さんにお渡しします。
本郷という場所は、羽ばたけば羽ばたくほど、望む場所に向かってたくさんの風を送ってくれると思います。皆さんは、そこでの時間をいくらでも上質なものにすることが出来ます。
ゆっくりと自分の頭で考え、これから無尽に広がる世界に思いを馳せ、自身にとって最良の時間を過ごしてください。一人の卒業生として、本郷に縁を結ぶ同志として、私も皆さんの歩みが豊かならんことを、心より祈念しております。