河野遥希さん
2015年度普通科卒業
現在
東京大学大学院経済学研究科(2020年度現在)
令和元年度東京大学総長賞 学業分野で総長大賞を受賞
100周年にむけて
本郷での6年間で最も時間を割いたのは、サッカー部での活動でした。同じ目標を持つ数十人の部員と苦楽を共にする経験は、後にも先にもあれだけでしょう。また、入学当初、緊張のしすぎで全く入らなかったPKを克服する過程で、大舞台での気持ちの作り方を学びました。高校最後の大会であっけなく負けてしまったことだけはいまだに心残りですが。
勉学では、数学に熱中していました。学年に関係なく上の段級に挑戦できた本数検の存在や、先生方が高校の範囲を逸脱する内容を授業で取り上げてくださったことなどは、自ら学習を進める上で大きな刺激になりました。また、毎日のように山手線の中でノートを広げ、『大学への数学』の学力コンテストの問題と静かに格闘したことも良い思い出です。中高時代に培った泥臭く考え続ける習慣は、現在でも研究活動の強固なベースとなっています。
本郷祭での一番の思い出は、中学2年時に嵐のダンスを披露したことです。今となっては、恥ずかしすぎて当時の映像を見返せませんが、教室がお客さんでいっぱいになるほどの盛況ぶりで、大変嬉しかったのを覚えています。
現役生へのメッセージ
本郷学園創立100周年、誠におめでとうございます。
私は、在学当時学年主任であった平井秀明先生の「つらい方を選択しなさい」という言葉を今でも心に留めています。中高の六年間は、自分がやりたいことすらはっきりしないまま、日々あらゆる場面で選択を繰り返さなければなりません。そんなとき、易きに流れそうな自分を認め、あえて少しだけ苦しい方を選べば、自らの未来を大きく変えることができます。
それと同時に、自分の人生を懸けられるような目標を持っていると、つらい選択も苦にはならないでしょう。ゴールに到達するために必要なことが明確なら、迷う余地がないからです。夢に向かって脇目も振らず突き進むことは、この上なく楽しいはずです。
生徒の皆さんが、本郷での活動の中で様々なことにチャレンジし、成功と失敗を繰り返しながら、自分が夢中になれるものに巡り合えることを切に願っております。