今月の一言
11月のひとこと
一度発せられた言葉は、発した本人には想像もできない解釈をされることがある。そのことに傷ついて、黙ってしまう人もいる。
そういう弊害を少しでも減らすために、言語には「言葉通りの意味」という絶対安全な足場はないということ、それでも言語には無限の可能性があるのだということを若い世代にもっと伝えたい。
子供がテストで百点をとってきたら、親が、
「次回のテストで点数があがる可能性がなくなって悲しいね。」
と言ってやる。そこでもしニヤッと笑えば、子供は言語は文字通りの意味を伝達するためにあるのではないということを少し理解できたのではないか。
「言葉と歩く日記」 多和田葉子著 岩波新書 より
言葉で自分の気持ちを伝えるのは実はとても難しいことです。だからこそ、なるべく電子機器にたよらず、お互いに表情を交換しながら自分の気持ちを伝える、ということを大切にしたいと思っています。