今月の一言
2019年9月のひとこと
(前略)展示をたどりつつ思い出すのは、3世代で暮らしたわが実家の台所のこと。
料理中の祖母に甘えに行ったり、せわしなく動く母に叱られたり。時にはきょうだいゲンカの場と化した。「人生は一人旅じゃないということを教えてくれるのが台所なんです」。作家の吉永みち子さんが本紙に語っている。
「お勝手」「台所」「キッチン」―。人ごとに世代ごとに呼び方は違っても、台所は日々の暮らしの中枢であり続けた。それは時代を映す鏡であり、家族の礎を築く場でもある。
朝日新聞 2019年8月20日 朝刊 「天声人語」より
現在も「お勝手・台所・キッチン」が「人生は一人旅ではない」ということを教えてくれる場所であることに変わりはありませんが、家族構成の変化などもあり、昔に比べがその「力」が失われつつあることは否定できないと思います。だからこそ「学校」という場の果たす役割はこれまで以上に大きくなっていると感じています。
さて、いよいよ新学期が始まります。2学期は本郷祭(文化祭)や修学旅行(中3・高2)など、普段の生活と比べ「人とのつながりをより強く意識しなければならいない」行事がたくさんあります。その中で生徒諸君には「人生は一人旅ではない」ということを大いに感じてもらいたいと思っています。