TOPICS

TOPICS

今月の一言

2022年2月のひとこと

本屋さんでブラウジングをしていると、「書名に魅せられて思わず手にしてしまう本」と出会うことがありますが、これから紹介させていただく本はまさにその中の1冊です。内容も書名と同様に素晴らしく、素敵な言葉が沢山ありましたので、その一部をここで紹介させていただきます。

「あの人はまだ若いから、これから何でもできる」
これは昔、70代だった母がふとつぶやいた言葉です。当時私は40代。母の視線の先にいたのは60代の女性。

私から見れば、決して若くない世代の女性だっただけに、ちょっと驚いて―そして気づかされたこと。それは「上の世代から見たら、下の世代はいつだって若い」。それなら、もし未来の自分から見たら、今の自分はずっと若く、可能性にあふれている、ということでした。

40代で「もう私は若くない」と思っていた私にとって新しい気づきでした。実際、今になってみると40代の私は「自分はもう若くない」と思っていましたが、実はとても若く、未熟でしたが、その後いろんなことができました。

やわらかい知性 坂東眞理子
河出新書 2021年12月

何かをやろうとしたときに、できるかできないかは年齢で決まるのではなく、実は自分の心で決めてしまっていることが多い、ということに気づかせてくれる言葉です。何もやらないことを年齢のせいにしている自分にはかなり刺激になりました。

今という時間を大切にすることは、年齢に関係なくすべての人にとってとても大切なことですので、生徒諸君にも「もし未来の自分から見たら、今の自分はずっと若く、可能性にあふれている」という言葉をぜひ心に留めておいてもらいたいと思います。

それからもう一つ。同じ本の中に書名である「やわらかい知性」という言葉に関して次のような記載がありましたので、こちらも紹介させていただきます。

私は日本のような成熟した社会に生きる人たちに必要なのは、是か非か白黒をつける鋭い知性ではなく、周囲の人と調和し、受け入れる、しかし誤った情報に惑わされない判断力を持ち、一方に偏らない弾力的な心を持つ「やわらかい知性」ではないかと考えています。