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今月の一言

2024年5月のひとこと

4月17日には高校、4月24日には中学の一学期任命式を行いました。各学期の任命式の際に、私は役割というものが人と人とを繋ぐ糸であり、人間の成長には不可欠なものだという思いを強くします。

各クラス内では、級長、副級長をはじめとして、他の委員や係も選出されます。さらにクラブや委員会の中にも様々な役割分担があります。学校という空間には、多くの役割が存在していて、この役割を各々の生徒がきちんと果たすことによって、一つの組織としての機能が保たれています。

人間は何らかの組織の中に所属して生きていかざるをえないので、組織の中での自分の役割、すなわち、自分がやるべきこと、自分にできることを常に意識しながら生活しています。この事実は当たり前のことのように見えますが、個人と組織との相関、そして組織の中での自己の責任というものを考える際に、重要な前提となっている点を銘記しなくてはなりません。

もし、身勝手な誰かが自己に与えられた役割を果たさなくなってしまったら、組織は機能不全に陥るだけでなく、身勝手な誰かのせいで他の誰かがその負荷を背負うことになってしまいます。自分に与えられた役割とは、組織の中で自己と他者とを繋ぐ重要な糸なのです。そして、この糸には責任が内在しています。つまり、自己に与えられた役割を果たすということは、組織を維持していくために必要となる責任を果たすことに繋がっているのです。

今回、自らの意志で級長・副級長や委員・係に立候補してくれた人は、自分の意志と主体性に誇りを持ってください。自ら進んで組織の中での役割を果たそうとする意志と主体性は、必ずや自分をさらに鍛えてくれることになるでしょう。

一方で、不本意な役割を担うことになってしまった人は、「不本意」な状況こそが、自身を磨くという事実を経験してほしいと思います。不本意ながらも、その役割を責任という他者と自己とを繋ぐ糸を手繰って果たせば、今までの自分を超克した人にしか見えない、新たな光景が出現すると私は信じています。この光景を目にするとき、不本意ながらも、自らの意志で役割を果たすことができたという新たな自信を獲得することになるでしょう。