今月の一言
2024年9月のひとこと
夏休み期間に、中学2年生の林間学校に同行しました。中学2年生だけではなく私も、自然の中で多くの貴重な体験をさせていただきました。そして、日常とは異なった空間で、体験を通して学ぶことの重要性を再認識しました。農業実習の時間に、声をかけ合いながら協力して、汗だくになってレタスの苗を植える中学2年生たちの姿を見て、仲間と心を一つにして物事を成し遂げることのすばらしさを痛感しました。科学技術の進歩により、場所や時間を共有しなくても、コミュニケーションの成立は可能になりました。しかし、仲間と場所や時間を共有することでしか得られない体験と絆があると思います。仲間の表情や感情の起伏、作業の進行具合を配慮し、自分の役割を熟慮しながら、一丸となって物事を成し遂げる経験は、今後の人生で大きな糧となることでしょう。
夏休みも終わり、9月21日(土)、22日(日)には本郷祭が開催されます。この本郷祭においても、生徒のみなさんには、自分の役割を考えながら、仲間と協力することの重要性を認識してほしいと思います。コロナ禍によって、私たちの学校生活は大きな変化を強いられました。本郷祭も中止や縮小という対応を経て、ようやくコロナ禍前に近い形で開催することができるようになりましたが、コロナ禍による断絶によって、本郷祭の歴史の中で培われてきた経験値が失われてしまいました。このような状況のなかで、本郷祭実行委員を中心に、新しい本郷祭の形が熱く議論されてきました。失われてしまった経験値を、どのような形で再生させるのか、本郷生の目の前にある課題は大きなものですが、新しい本郷祭の形を必死に模索してくれたと思います。
「祭」に注がれるエネルギーは、「祭」に係わる人々の日常を活性化し、新たな日常を創出します。本郷祭という「祭」を主宰する本郷生が楽しむのは準備の過程、そして準備の過程で蓄えたエネルギーを「祭」の当日に放出して、来校して下さったお客様にかけがえのない濃密な時間を経験していただけるように、本郷生には全力を尽くしてもらいたいと思います。