今月の一言
2025年1月のひとこと
1月は新しい年の始まりの月であると同時に、本格的な受験シーズンが始まる月でもあります。世の中がお正月気分に浸っているとき、受験生は不安と焦燥感を抱えつつ、周囲とは一線を画した緊張感の中で、目標に向かってひたすら努力を重ねていると思います。
一部の推薦入試等を除いて、入試は一回のペーパーテストで合否が決まる、非常に苛酷なものです。「この一回のテストで、力を発揮しきれなかったらどうしよう」という不安を多くの受験生が抱えていると思います。また、「この一回の試験で、今後の人生の流れが変わってしまうかもしれない」という極度の緊張感に苛まれている受験生も多いと思います。
不安や焦燥感、そして緊張感に押し潰されそうになったら、むしろ開き直って、受験直前期には平常心ではいられず、不安や焦燥感、緊張感に苛まれる自分をありのままに受け容れる方が良いのではないかと私は思っています。長い期間にわたって、様々なことを我慢しつつ、自分と戦いながら、真摯な姿勢で勉強を続けてきたのですから、不安や焦りに駆られて当然です。真剣に受験勉強をしてきたからこそ、不安や焦りに苛まれ、緊張感を抱くのです。そして、この受験直前期の不安や焦燥感、緊張感こそが、自分を強く鍛え上げてくれるものであり、未来の自分の血となり肉となるものであると受験生には考えてほしいと切に思います。
自分の中に生じる不安や焦り、そして緊張感と真正面から向き合いながら、現在の自分の弱点を直視し、克服していくことは、つらい作業です。しかし、試験当日まで、この一見単純でありながらもつらい作業を継続していく力の中に、今後の人生の中で必要とされる力の芽が内在しているのではないかと思います。