今月の一言
2025年2月のひとこと
2月1日から、いよいよ本校の入学試験が始まります。試験当日の寒い朝に、緊張感をにじませながら、真摯なまなざしで本郷にやってくる受験生の皆さんの表情を見つめるたびに、努力、継続、忍耐、緊張、真剣といった、学びにまつわるいくつかの厳粛な言葉が心に浮かんできます。そして、「この学校で学びたい」という受験生の意志と情熱に応えるために、一人の教員としてなすべきこと、できることとは何であるのかという、根源的な問いを改めて抱え込んでいる自分に気づきます。中学入試期間に、私は教員としての原点を見つめなおす機会をいただいているということになります。受験生の皆さんが蓄えた力を存分に発揮できるように、準備を万全にして、お迎えしたいと思います。
高校3年生の皆さんは、最初の関門である大学入学共通テストが終わり、私立大学の入学試験を受ける中で、緊張が続き、疲労が蓄積する日々を過ごしていることでしょう。長期にわたる入試日程の中で、万が一、思い通りの結果が出なかったとしても、めげることなく、強い意志で走り続けてほしいと思います。試験はみずもの、相性の悪い問題が出題されることもあり、実力を発揮できない場合もあります。偏差値や模擬試験の成績どおりに合格が得られないことも多々あります。しかし、最後まで諦めることなく、受験の過程で修正するべきもの、補強するべきものをしっかりと認識すれば、最後まで力は確実に伸びます。大学受験というマラソンを全力で走りきってほしいと切に思います。
中学1年生から高校2年生の皆さんには、この中学入試の期間に、是非、中学を受験した小学6年生の冬に思いをはせる瞬間を持ってほしいと思います。当時抱いた緊張感、焦燥感、達成感、挫折感などすべての感情が、現在の自分を作っているからです。そして、一回の試験で合否を判定される過酷な試験に全力で挑んだという経験を現在の自分の言葉でとらえ直してほしいと思います。なぜなら、過酷な経験をした自己を客観視しようとすることから、現在の自分を見つめ、未来の自分の像を思い描く、第一歩が始まるからです。