学校生活
中学2年生が林間学校に行ってきました。
去る8月17日から20日までの3泊4日で、中学2年生は長野県車山にて林間学校を行いました。大自然の中で友と共に多くの事を学ぶことができました。
一日目のアクティビティーでは、現地のNPO法人の協力で、森林整理保護体験をさせてもらいました。原生林・天然林の違いを観察したり、普段の生活の二酸化炭素排出量を算出したり、森林を保護する目的で間伐も体験することができました。
二日目は、牧場での農作業体験を行いました。半日かけて牛舎で搾乳とブラッシング、さらに山羊と一緒に草むしりという体験です。恐怖と大自然の香りでなかなか牛に近づけさえしなかった生徒達ですが、慣れてくると愛情を込めた手つきでブラッシング。牛も、気持ちよさげに700キロの巨体をどんどん生徒達に近づけていきました。昼食は、青空のもとBBQでした。命を受け継ぐという行為をかみしめながら、用意された食材はちゃんと完食。
もう半日は、畑に黒いビニールシートをはるところからはじまり、レタスの赤ちゃんを植え付けるという農作業体験です。係の方の終了許可がでるまで、黙々と作業にあたりました。牧場の係の方の最後の挨拶で「君たちが、ブラッシングしてくれたあの乳用牛は、もうお乳が出ないので、明日肉牛として。あの牛たちにブラッシングをした最後の人間です」との言葉に、生徒達は、経済動物の運命を目の当たりにし、ショックを受けていました。
そして3日目。林間学校クライマックスのトレッキングです。前日夜に、湿原の成り立ちや「あざみのうた」の紹介、自然保護の現状など、生徒達による事前学習の発表が行われたり、各岐路で係の生徒の誘導体制の準備も整っていた分、期待も最高潮でした。が、無情の雨により中止を余儀なくされました。8月だというのに気温13°での冷たい雨、10メートル先も見えない深い霧。一転した大自然の表情の変化に改めて畏敬の念を抱いた様子でした。
トレッキングは中止でも、アクティビティーは盛りだくさんです。まずは、一人で数個の色紙風船をつくり、2000個弱の風船を寄せ集めて一つのモザイク画を作り上げました。もちろん図案は生徒です。彼らは本郷中学入学後、協力して一つのモノをつくるはじめての経験をしました。さらに、今回の車山での感想を31文字に込めて短歌を創作しました。短冊に綴られた作品には、「環境」、「食」、「感謝」の気持ちが表れていました。昼食のポークカレーは、70キロのお米をありがたく完食しました。
閉校式で、この4日間のキーワードは?と生徒に問うと「命」という言葉が返ってきました。私たちは、当たり前のように日々、自然の恵みを享受しています。しかし、それはそれらを守る多くの人たちによってもたらされたものであり、尊い命を受け継ぎながら生きているということを彼らなりに感じ、今後の生活を営んでくれることを願ってやみません。
創作した短歌をいくつか紹介します。
車山 涼しげな景色そのままに こころのシャッター次々ときまる (Y君)
雄大な 自然をみつつ山道の いのちの動きしっかり聞こえる (M君)
目の前に すっとたたずむ 大きな木 見かけは優しく中身は強く (M君)
小さな芽 汗水たらして 大きな実 そして僕らを今日も動かす (T君)